ムー大陸の音楽探検

ボカロP・ムー大陸が紹介する音楽のアレやコレや

私が愛した郷ひろみ②

ムー大陸です

 

「私の愛した郷ひろみ」の2回目です。

前回は総論。デビューからから2年間の郷ひろみの魅力について書きました。

今回はデビューから2年間に彼が出したシングル盤のA面の曲を分析しながら、彼の活動を追いかけていきましょう。1972年に16歳でデビューして2年間ということは、16歳から18歳ということになります。もうすぐ17歳のデビューでしたから、19歳手前までです。やはり、少年でいるのが難しい年齢までということでしょう。その2年間に8枚のシングルを出します。「男の子女の子」から「花とみつばち」までがその2年間に該当します。これを私は黄金期と呼びます。すみません、あくまで私基準で。その後、1974年後半から1976年夏にかけての2年間が過渡期です、少年から大人の歌手へ変身するための。そして、1976年以降は現在と同じと考えていいでしょう。

一つあらかじめ書いておきますが、ここで書くことはあくまで私の推量です。私はリアルタイムで彼の活動を見ていません。また、彼や彼のスタッフに取材したり、何かエビデンスを持っているわけでもありません。彼の歌を聴いて、分析しているに過ぎないので、もし当時のことを知っていて、違うという事であれば、是非教えていただきたいと思います。

 

さて、それでは、デビュー曲、

①「男の子女の子」

明るいポップスです。筒美京平が作曲家に選ばれたのはグループサウンズのオックスに楽曲提供していたからと聞きました。確かに失神オックスの王子様的要素が郷ひろみにはあったかも知れません。楽曲はこのブログで紹介したエジソンライトハウスの「恋のほのお」を少し意識したような感じ。あれは1970年の作品。2年位前に流行って、根付いたメロとかリフをあざとく使うのが筒美式ですから、あるかも知れません。作詞は岩谷時子。「一緒に歩いていこう」という女の子への無邪気な呼びかけです。最初だから変にラブソングにするより良かったでしょう。郷ひろみの歌は拙いですが、やはり、彼の声は独特でいい味が出ています。

ヒットしました、レコ大新人賞ゲットしました。8月デビューでしたから、その年のギリギリ賞レースも間に合いましたね。ちなみに最優秀新人賞は麻丘めぐみでした。同年デビューの西城秀樹は新人賞に届きませんでした、前年デビューの野口五郎も新人賞は逃していますから、デビュー時の人気は新御三家の中では一番だったようです。

②「小さな体験」

第2弾も作詞作曲コンビは一緒です。デビュー曲がヒットしたからか、2曲目も充実しています。というか、これは大変な名曲です。私としては郷ひろみディスコグラフィの中で1,2位を争うと思っています。なので、貼りました。筒美氏のメロは最高。詞の方は遂にラブソングに突入です。アイドルは当然、ファンの子をキュンキュンさせる必要があるので、基本的にすべてラブソングです、当時は。問題はどういう内容、どの程度の過激さまで許容するかが、スタッフの判断になります。この曲においては、初めてのキスが歌われました。少年の恋歌としてはそのあたりが妥当かと思います。郷ひろみの歌はデビュー曲より随分と良くなりました。上手くなっていると思いますが、まだまだ、技術をうんうんするレベルではありません。ただ、グラムロック的魅力は満載です。

 

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③「天使の詩

第3弾はカバーです。正直、よく分かりません。何かの企画モノでしょうか。郷ひろみが出演したテレビドラマの主題歌を担当させてもらったということですが、何故この曲がカバーされたのは不明です。曲もあまり良くないです。筒美節のように郷ひろみの魅力とマッチしていません。3か月に一枚という通常のローテーションから外れて発売していることから、政治的理由とかで発売させたものでしょうか。最高の2年間の中で最も評価しない一曲です。

④「愛への出発」

再び筒美・岩谷コンビに戻りました。安定の一曲です。「小さな体験」には及びませんが。キスをした前作、今作では別れがやってきます。少年路線は不変ですが、色々なパターンの恋愛を見せています。握手をして別れようという感じが少年ぽい爽やかさがあります。泥沼の別れはまだ早いのです。ちなみにタイトルは「あいへのスタート」と読みます。歌唱については「小さな体験」とそう変わらないレベルです。グラムロック感も少し落ちました。

⑤「裸のビーナス」

イントロからAメロ、そしてサビ、ちょっとブレイクでAメロ戻り。最後に女性コーラスとの掛け合いがあって、イントロに戻って終了。こういう展開私大好きです。メロディ美しいです。使っているメロディがすべてフックがあります。筒美氏もノッて書いていた感があります。郷ひろみディスコグラフィの中で一押しがこの曲です。郷ひろみの歌もナヨナヨしていて(これ誉め言葉です)素晴らしい。歌詞は南の無人島のようなところで、二人で裸でじゃれあっている感じの内容。ファンタジーなんですが、裸になったというのは少し大人に近づいたところはあります。生々しくないところはあくまで美少年路線です。貼りますね。

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⑥「魅力のマーチ」

これも筒美・岩谷コンビ。いいですね、これも。曲は「愛への出発」に近い展開、バースのような始まりから盛り上がりへ。そのどれもがいいメロディです。でも、こちらの方が「愛の出発」より出来がいいと思います。作詞に関しては、今回は具体的に彼女とケンカして仲直りしたいという歌です。「君には分からない男の子の気持ち」なんて歌詞美少年にしか歌えませんね。しかし、この曲の一番はタイトルです、「魅力のマーチ」って凄いですよ。ちょっと付けられない。

⑦「モナリザの秘密」

筒美・岩谷コンビは不変。今回は悲恋がテーマです。少し大人になったでしょうか。「もう死ぬのも怖くはない」という歌詞もありました。しかし、どちらかというと、年上の女性に憧れる感じの仕上がりなので、やはり美少年路線です。曲はいつもの筒美節から変化しました。教会風オルガンをフィーチャーしたアレンジです。これにギターサウンドと疾走する曲調で、意外とロックな一曲です。

⑧「花とみつばち

筒美・岩谷コンビが続きます。筒美氏の楽曲には驚きます。この曲のイントロはひょっとしてドアーズの「ハロー・アイ・ラブ・ユー」からメロは拝借しているのでしょうか。全体的には明るいロック。とにかくこれは名曲ですね。そして、歌詞、遂に少年は大人になりました。彼女は花、郷ひろみはみつばちです。「君と僕の二人が覚えたての蜜の味」、彼は女を知りました。プロダクションから岩谷氏へゴーサインが出たのでしょう。この時18歳です。頃合いだと思ったのでしょう。

 

ここまでが、私が黄金期と呼んだ2年間です。ただ、実はデビューから2年の間に次のシングル「君は特別」も出しています。ですから、「君は特別」も黄金期ではないかと言いたいところですが、私はその曲から過渡期が始まったと感じています。過渡期については次回。

それでは、また。

 

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新曲公開しました。評判いいようです。是非聴いて下さい!

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